「やめてくださいっ!」



そんな声が聞こえてきて、声のした方へ歩いていく。



するとそこでは、まるで時代劇のように刀を持つ数人の男が一人の女性を取り囲んで何処かへと連れて行こうとしていた。



『うっわー…』



神羅〈よし、出番だよ!〉



『知りませんよ、あんな所に入ったら命を捨てる行為ですから。』



神羅〈え!?でも放っといたらあの子が危ないよ!?〉



『知りませんよ。』



僕だって命が惜しい。



神羅〈もー!ほら、この刀持って!行く!〉



『離せこら殺すぞ。』



神羅〈それをあの子を掴む彼らに言ってやって!?〉



『死ねと。』



神羅〈一度死んだのによく言うなぁ!?〉



その言葉にハッと我に返る。



…ああ、そうだ、僕死んだんだ。



なら何も怖いことなんてないじゃんか。



そう思いながら、僕は静かに彼らに近付いた。



『…あの。』



「ああ!?」



この時代はきっと、平気で斬り付ける事が出来てしまう時代。



150年前…僕の好きな彼らが活躍している頃のはずだから。



『今壬生浪士組の人達此方向かってましたけど。』



「「「!?!?」」」



『こんなことしてて…バレたらまずくないですか?』



「くそっ…行くぞ!」



そう言って逃げていく彼ら。



やっぱり…この時代で合ってたか…。



神羅〈歴女ってのほんとだったんだー…。〉



『…歴女は歴女でも、新撰組特に、な、ね。』



そう溜息を吐きながら言う。



『お嬢さん、お怪我は?』



そう問い掛けると、連れて行かれそうになっていた女性は優しく微笑む。



「平気です、貴方が助けてくださったので…。」



『それなら良かったです。』



それだけ言って微笑みその場から離れる。



あー…



『新撰組…会いたいわ…。』