あれは美琴が高校1年になったばかり…

満開の桜の花が咲いていた時
緊急で患者が搬送されてきた

それが美琴の母親だった

職場で倒れたという

搬送されて2時間くらいたったくらいに
制服姿の美琴が病院に来た

お母さんは検査を終え病室に移った時だった

偶然にも当時の主治医が俺の親父

美琴にはお父さんがいなかった

美琴が小さい時に事故に遭い
亡くなったらしい
だから美琴は母親と二人暮しだった

親父は高校生の美琴に母親の病状を知らせた
その時俺は親父の傍にいた
美琴は覚えてないだろう

親父から説明を聞いて
高校生の美琴には残酷な告知だった…

母親は末期の胃がん
長くて半年の余命宣告

普通は受け止めれない現実だが…
美琴は毅然としていた

だからか俺は美琴から目が離せなくなった