夏歩にはやはりよくわからないけれど、津田が美味しいと言うのであれば美味しいのだろう。
料理に関しては夏歩より津田の方がずっと詳しいと言うか、そちらの意見の方が自分の舌よりずっと信用できる。
「そうすると具は、シーフードかな……。あっ、でもオムライス作った時の鶏肉も余ってたんだよな……」
迷う津田を横目に、夏歩は黙々と朝食を平らげる。
迷いながら手も動かしていた津田は、夏歩より少し遅れて朝食を完食。
「ちょっと今日は皿が多いから、手伝って」
自分の分だけ持って立ち上がった津田に、夏歩も目の前の皿を重ねて持って続く。
作ってもらったのだから、これくらいは。ここでサラリとお礼も言えたら上出来なのだけれど、それはまだ難しい。
「置いておいていいよ。まだ時間、あるよね?」
言われた通り、と言うかお言葉に甘えて、夏歩はシンクに食器を置く。
それからベッドに向かってスマートフォンで時間を確認すると、キッチンにいる津田を振り返る。
ある、と一言答えたら、津田はコンロの上のヤカンを持ち上げて、既に調理台に用意していたマグカップにお湯を注いだ。
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