素直になれない夏の終わり


それでも肩まで沈み込んでしばらく耐えていると、やがて体がじんわりと温まって快適になってくる。

そのタイミングで夏歩は、「ふうー……」と満足げに息を吐いた。

今までなら、お風呂を沸かすのは休みの日くらいで、どんなに寒くとも体が冷えていようとも、シャワーで済ませてしまっていたのだが、やはり今日のような肌寒い日は湯船に浸かるに限る。

熱が手足の先に行き渡るまでゆっくりと湯船に浸かり、一旦洗い場に出て頭から体から全身洗ったところでまた湯船に戻る。

そこからまたダラダラとしばらく浸かった夏歩は、頭がぽーっとしてきたタイミングでお風呂からあがった。

手足の先どころか頭の先までポカポカにして、濡れた髪にタオルを被せて部屋に戻る。

ほんのりピンクを通り越して、赤くなっている夏歩の頬を見て、津田は気遣わしげに声をかける。


「なっちゃん、顔が赤いけど大丈夫?のぼせた?」

「平気」