「ほら、美織もこう言ってるし、行きたいなら一緒に行こう。出来れば、男がいないテーブルに」

「……せっかく女だけで盛り上がってるところに津田くんなんて連れて行ったら、邪魔でしかないでしょ!」

「大丈夫。俺、女子会にも違和感なく混ざれる自信あるから」

「津田くんが良くても向こうが良くないの!わかるでしょ」


怒れる夏歩を、笑顔でどうどうとなだめる津田。

そんな二人の会話を聞くともなしに聞きながら、美織は乾杯用に頼んだハイボールを飲み終えて二杯目を注文する。


「それにしても、あんた達もよくやるわよね」


津田おすすめのタコのから揚げを摘まみながら美織が呟くと、夏歩は津田との言い合いを切り上げて「何が」とすぐさま反応を示す。

美織がそれに答えるのに、口に入れたタコのから揚げを飲み込むまでの間が空いた。


「いい加減付き合えばいいのに」


間髪入れず「絶対に嫌だ!」と夏歩が答え、反対に津田は「ほんとだよね」と同意する。