「……なに?」

「いや、別に。なんだかんだ言って、夏歩は津田のこと信頼してるんだなって改めて思っただけ」

「なっ!ちがっ」


聞き捨てならない美織の台詞に反論しようとした夏歩だが、それを遮るようにして美織が続ける。


「それだけ信頼してて、その相手にも間違いなく大事にされてるんだから、そろそろ夏歩は津田の気持ちに応えてあげてもいいんじゃないかとあたしは思うけどね。津田って、傍から見れば結構優良物件なわけだし」

「……どの辺が?」


津田と優良物件という言葉が、夏歩の中ではどうにも結びつかなくて、難しい顔で首を傾げる。
美織は事もなげに「まず第一に、顔がいい」と答えた。


「世間一般で言うところのイケメンの部類には、充分入ると思うわよ」

「…………」