「往生際が悪いわよ、夏歩」


美織の言葉に、夏歩は「だってー……」と力なく返す。


「だっても何もない。いいから津田に連絡しなさい。全く……油断してるからこんなことになるのよ。あたし、去年も一昨年も言ったわよね。シャワーで済ませるのは真夏のほんとに暑い時だけにしなさいって」


頬を赤く染めてベッドに横たわる夏歩は、掠れた声でまた「だって……」と返す。


「だって、だってって、子供じゃないんだから。ほら、おでこ出して」


言われた通りに布団からもぞもぞと出した手で前髪を上げると、美織が額に熱さましのシートを貼りつける。

ヒヤリと冷たい感覚に、夏歩はキュッと目を閉じた。


「飲むもの、ここに置いておくから。ちゃんと水分取るのよ。あと、レンジでチンできるお粥っていうのも買ってきたから。食べられそうならこれも食べる」


言いながら、美織はテーブルの上に次々とスーパーの袋から出したものを並べていく。


「あとこれ、体温計ね。どうせないだろうと思って買ってきた」


そう言って最後に取り出したものは、わざわざ箱から出してすぐに使える状態にしてテーブルへ。