「認めた」 『昭香さんがしつこいから乗っただけです』 二人の言葉の間にじれったいような、くすぐったいような空気が流れる。 私の左側、ソファが少し沈む。 『…昭香さん。』 すぐ隣から私を呼ぶ声。 この声に寄り掛かることができたら、楽なのに。 浮かぶのは、別の人の顔。 やっぱりこんなのいけない。 私にはできない。 「徳重くん、やっぱり私」 彼の方へ体を向ける。 次の瞬間、彼の頬が私の耳に触れた。 『ねぇ昭香さん、いいこと教えてあげる。 僕を… 有松さんだと思えばいい』