頬に触れていたのは、大きくて優しい彼の手。 驚いて顔を上げると、真剣な表情の彼と目が合った。 初めて見る表情。 『そうやって思わせぶりな態度をして、 いつも僕を振り回すんですよね、浄心さんは』 そう言うと彼の顔が近づく。 私を捕らえるような瞳から、目を逸らせない。 『もちろん、男としてです』 そう言うと彼は頬から手を離し、 何事もなかったかのように前を向き直した。 二人の間に鳴った無機質な機械音が 1階に到着したことを知らせた。 NEXT *RAINY DAY