とある山に雪女がおりました。

雪女の役目は冬をよび、雪を降らせること。

秋が深まり、山に住む動物たちは冬ごもりの準備を始めています。

山の神は雪女に冬を呼ぶために雪を降らせるよう命じます。

「おいで。雪の子たちよ」

人々が噂するとおり雪女はとても美しい姿をしていました。

透き通る白い肌

漆黒の豊かな髪

しかし、噂とは違い彼女の瞳は温かな光を宿していました。

雪が降り山は眠りにつきました。
来たるべき春のために
また、多くの生命を育むために山は深い眠りにつくのです。

眠る山を守るのも雪女の役目のひとつ。

春がきて山が再び目覚めるまで
雪女は雪の子たちと共に静かに過ごすのです。