〈だから俺、衣川さんのことちょっと心配だったんだ〉 ……親切な人。それで優しいから今まで言えなかったのかな。 ノートにぽたんと涙が落ちた。 それを見て、目をそらした音羽くんは文字を滑らす。 〈まだわかんないよ。あくまで噂なんだから。放課後、俺が本人に聞いてあげる。それを衣川さんも隠れて聞いてたらいいよ〉 音羽くんは本当に親切なひと……。 〈ありがとう〉