「や、やだ……じゃあパスコードは……」
「俺の誕生日で」「きゃああああ!」
両手で頬を覆った今宵は、真っ赤になりながら叫んで立ち上がった。
そして目をそらして消えそうな声で言う。
「……ごめんなさい……」
気が抜けるわ。
「なんで今宵が謝んだよ」
「だって、駆くんの誕生日いれるって……あたしストーカーみたいだったよね」
「よくあることじゃん」
「そうなの? あのね、ルイちゃんが彼氏の誕生日をパスコードにしてて……ずっと憧れで……その」
馬鹿。なんでそんなに可愛いんだよ。
そんなの抱きしめたくなるに決まってんじゃん。
それからもう俺、二度と今宵のスマホは見ない。