「お。今宵じゃん」 その声にドキンと胸が鳴る。 「……か、駆くん」 あたしの一番苦手な人。 だって駆くんといると心臓が壊れそうになるから……。 駆くんは一緒にいた友達からスッと離れてあたしの耳元に顔を近づける。 途端にふわっと香る大人っぽくて甘い香水の匂い……。 あたしはこの匂いに弱い。