「衣川さんって、噂ではめちゃくちゃ告られてたよね! 実際何人に告られたの?」 「え……? わかんない……」 「覚えてないの!? 私なら絶対忘れないけど!」 「覚えられないくらい告られましたってことじゃん?」 「次元違うやつ?」 「それ」 「……はは」 ひきつった笑いを返すしかなくて。 こんな時は何を言っても不正解だって思うから、おし黙る。 だってこういう経験は今までに何度もあったからわかってるの。