なんて、絶対言えないけどね。



「…もうすぐさぁー、出逢って、2年だよ…?早いね…。」



上の方から吹いてきた風が彼女の髪を優しく揺らす。



僕を置いて。






…そうだ。僕らが出逢ったのは、桜が、満開の頃だった。




2年前の春、僕らは出逢った。



そして、1年前の春…。



「…あの頃は、大輔とこんな風になるなんて思ってもいなかったなぁ〜…」



そう言って泣き出す彼女。



…ほんと、泣き虫なんだから。




あの時も、泣いてたよね。大丈夫だって、何度も言ったのに。



「大輔〜…春に、戻ればいいのにね…。もう1回、春になればいいのにね…っ」



できることなら、ね。



…いや、でも、やっぱり、戻らなくてもいい。



戻らない方が、いい。