先生が教室に入ってくる。
学級委員の号令の後、先生は黒板にチョークで何かを書いた。
"球技大会委員、男女1名ずつ"
……そっか。
確か2週間後に球技大会があるんだっけ。
先生の文字を見ながら、そんなことをふと考える。
「えー、てことで、誰かやりたい人?」
準備も運営も委員の人たちがやるし、大変そうだな。
……いや、大変そうだからこそ、では?
「お、佐々木やってくれるか。じゃああとは男子で誰かいないかー?」
由良くんとの時間が減るかもしれない、そう考えたら手を挙げていた。
それと、志保に対してのせめてもの反抗のつもりだった。
あぁ見えて、由良くんは意外と面倒くさがり屋だし、球技委員なんてやるはずもない。

