「さっきの城之内くんに対する態度のことだよ!!ああそっか、あんた日本人じゃないもんね〜?日本語わかんないんでしょ〜?」

ゲラゲラと品のない笑い声を女子生徒たちは上げる。エレナは顔色を変えることなく女子生徒たちを見ていた。

「I feel sorry for you guys」

エレナはウクライナ語ではなく、日本人が学校で学ぶ英語を放つ。女子生徒はゲラゲラ笑い続けた。

「いや、ウクライナの言葉で言われても……」

「何言ってんのかわかんないんですけど!」

「マジウケる!!」

エレナはゲラゲラ笑い続ける三人を見て、放った言葉は三人にお似合いだと心から思う。そして、三人に言った。

「何もわかっていないようだから教えてあげるわ。ウクライナの公用語はウクライナ語よ。でも、日本人はウクライナ語なんてわからないだろうからわざわざ英語で言ってあげたのに……。ウクライナ語と英語の区別もつかないなんて、学校であなたたちは何を学んできたの?」