「きいていたとおり、とても美しいお方だ·····」 青年はフローラの目をじっと見つめながら言う。 「フローラ。この方を知ってるか?」 「いいえ、申し訳ありません」 「そうか。·····この方は、メリック財閥の御曹司、リチャードくんだ」 メリック財閥·····。 ここより随分大きい財閥だ。 メリック財閥と言えば、そういえば。