──7月15日。

イチにぃと菜津美の結婚式から約3週間。
あれから、私の両親が再婚することが本決まりになったため、我が家も何かと慌ただしくなった。

そして今日はその報告(お祝い?)も兼ねての、食事会をすることになった。
ごく内々で家族や親しい親戚だけでの集まりだから、結局は蘭家と宮本家の会合となる。
それに加えて、私の婚約者である佐伯主任も当然のようにメンバーに入れられているんだけど。
みんなが揃うことなんて滅多にないから、楽しい食事会になればいいけどなぁ。

シュウにぃは奥さんの美生さんが出産・育児のため北国の実家に里帰りしているため、行ったり来たりの生活で忙しいみたい。
結婚式があったから、今は美生さんと赤ちゃんもこっちにいるんだけど。
イチにぃの結婚式の日もあまり話せなかったから、今日はゆっくり話できるかな。

菜津美も晴れて宮本家の一員になったんだし、これからは親友としてだけでなく親戚でもあるんだもんね。


「まひろちゃん、ごめんな。実は広美と真行に離婚するように進言したのは俺なんだ」

私にそう言ったのは、宮本兄弟の父親であり私の母の兄でもある、(はじめ)伯父さん。

「そうだったんですか……」

いまだからこそ、冷静に話を聞くことができる。
昔の幼かった私なら、何を言われても聞く耳なんて持ってなかった。
離婚している間の10年という月日は、無駄なんかじゃなかったはず。

「伯父さん、私も大人になったのかな?どうして頑なに父を拒否し続けたのか、今になってみるとよく分からなくて……」

「多感な思春期だったからだろう。つらい思いもしただろうな。そんな中でも家族を大切にして、身体の丈夫でない広美を支えてくれてありがとう。俺や道子も近くに居るんだし、一弥や修一で役に立つことがあれば頼ってくれていいから。まあでも、まひろちゃんには一番頼りになる男がそばにいるか」

そう言った伯父さんは、向こうでシュウにぃと話している佐伯主任を見た。