二次会の会場は、披露宴会場と同じホテル内にあるラウンジ。
高層階なだけあって、夜景が綺麗だし店の雰囲気もムードがある。
イチにぃの友人がセッティングしたらしいが、なかなかセンスがあるチョイスだ。

まひろは同級生の友達と楽しんでいるようだ。
そういえば有田さん以外の友達と一緒なんて見たこともないし、こうして近い距離で観察できるのはレアかもしれない。

「蘭さん、今日はやっぱりいつもと違って可愛いよな~。俺、あっちのテーブルに行ってこようかな」

「やめとけ、邪魔したら悪いだろ。蘭さんなら後で挨拶くらい来るだろ」

本音では来なくていいと思うけど、まひろはそういう気遣いができるやつだからな。
世話になってた教事1課のメンバーがいるからには、挨拶に来るはずだ。

しばらくして、有田さんとまひろと、同級生らしい友達2人、こっちのテーブルにやってきた。
ほらな、来ただろ?


「教事1課のみなさん、今日はありがとうございます。宮本がいつもお世話になっています。これからもよろしくお願いします」

「有田さんおめでとう!こっちが課長にはお世話になってるよ。蘭さんもお疲れさま!スピーチ最高だったよ。蘭さんと宮本課長っていとこ同士だったんだね。みんな知らなかったから驚いてたよ!」

「みなさん、ご無沙汰してます。……佐伯主任、お疲れ様です」

「ああ、お疲れ。有田さんおめでとうございます。そちらは有田さんと蘭さんの友達ですか?よかったら座ってください。どうぞ」

「そうだよそうだよ、みんな座って!」

「初めまして!私たち菜津美とまひろちゃんの同級生なんです」

「みなさんはシャイニングにお勤めなんですよね?」

若い女性が来てくれたとはしゃぎだす教事1課メンバー。
有田さんとも今まで話すきっかけがなかったらしく、楽しそうに盛り上がり始めた。

イチにぃは……?
あっちはあっちで友達と語り合ってるようだな。