さっきまなが言っていた快斗くんというのは、正真正銘私の兄。

私の三つ上の18歳で大学一年生。


そして困ったことに茉依の言う通りシスコンなのだ。

それも超がつくほどの。


別にお兄ちゃんのことは嫌いなわけではないし、むしろ大好きなんだけど、色々と不便なんだよね。


だって、一人で出かけることを許してくれない。


私、もう15歳なんだけど、高校生!って言っても、全く聞く耳を持ってくれない。


ほんとにすっごく過保護なの。

私は子供か!ってほどにね。


だから、桜川高校に行くことを許してくれた時はすっごく嬉しかった。


…まあ、お兄ちゃんが過保護になるのも無理はないけどね…


きっとまたあの時と同じようなことが起こったらって思うと、怖いんだと思う。


「梨那〜!おはよう。」


リビングに入った途端に誰かに抱きつかれた。


「…ママ、くるしい…」

「紗希 (さき) 、離してやれ、梨那が潰れる。」