午後1番の授業はサッカー。


わたしがこの世でいちばん苦手なもの。


女子たちが楽しそうに走り回る中、わたしはなんとなく周りに合わせて小走りになり、参加しているフリをする。



「ゆみっち、パース!」



「はいよー」



わたしの目の前を当然のように通り過ぎてパスが渡っていく。


なんだか、誰の目にも映らない、透明人間になったみたいだな、って少し思う。


まあ、パスとかドリブルとか、できないし。運動神経信じられないほど悪いし。


回されても、困るだけだから、別にいいけど…。




遠くでシュートが決まった。先生の鳴らすホイッスルの音が響く。


同じチームの子が集まって、はしゃいでいる。


それを遠くから見つめながら、わたしはぼんやりと思う。