「ちょっと………どうしたの」 あまりにも荒い息に、自分の体力の無さを痛感する。 でも、今は必死だった。 「……っあの、……ちがうんです。 誤解なんです」 わたしが話し始めると、 「もういいんだよ」 廉くんは優しく首を振った。 「俺、いつも強引だったから。 栞菜が断れないだけだって、わかってたよ。 ……最近ずっと、栞菜が苦しそうだったことも」 だからもう俺に気を遣わなくていい、と付け加える廉くんに、 わたしは、 「そうじゃない!」 とさけぶ。 その剣幕に、 廉くんは言葉を飲んだ。