「……っ」



痛みより先に驚きが来て、頬を抑えると、


わたしを叩いた、目の前の元カノの先輩が、



「なんとか言えよ」



と表情もなく言った。


その美しい顔は、なんの感情も伝えない。


……怖い。初めてそう思った。











「わらし!」



突然、乱入者が女子トイレに現れた。


その数は多く、ぞろぞろと、狭い空間を埋め尽くしていく。


…え?



「なんだよ、あんたたち」



睨み付ける先輩たちに、その先頭の女子は言い返した。



「あんたたちこそ、こんなとこまで来てなにしてるんですか?

二年の校舎はむこうですよ。

1人をみんなで寄ってたかって、ださくね?」



「は?」