誤解…?


それってどういう意味だろう。


廉くんは珍しく、自嘲気味にいった。



「俺はお前が思うようなやつじゃないよ」



「廉くんは、優しいよ」



思わず、口を開いていた。


…知らないんだ。


わたしが毎日、どれだけ廉くんに救われてたか。


廉くんのかけてくれる言葉のひとことひとことが、どれだけ嬉しかったか。



「そっか」



廉くんは、ようやく堅かった表情をゆるめる。


その表情をみたわたしは、ようやく安心して、うん、とうなずく。



「ありがとう」


それでも廉くんの声は弱かった。



……嫌われるのが怖くて、
いつも、何も言えない。



でもこれだけは伝えたかった。


わかって欲しかった。


わたしがどれだけ廉くんに感謝しているか。



でも、視線を逸らした廉くんは、悲しそうにみえた。



「……ねえ。


俺。


お前がずっと誰とも喋れずにいればいいって思ってる、って言ったら、


……どうする?」