昼休み。 「あ、……あの」 中庭のベンチに座って、男子たちと楽しそうに話していた廉くんは、 わたしの姿を見つけるとそれを中断して立ち上がった。 「ん、どうしたの?」 いつもと変わらない優しい声。 「あの、ちょっと…」 まわりのお友達がいるところで、特訓のことを言うのはどうかと思って廉くんを見ると、 廉くんは、ああ、とうなずいて、 「俺、先に行くから。あとでね」 と友達に告げた。