午後9時

『…………………………え、マジか』

タンスを開けて固まる私。言わずもこのタンス、メロンパンタンスと呼ぶに相応しい、メロンパンの保管庫だ。

だが、今はただのタンス。
肝心のメロンパンは、1つも入っていない。

『…………………………えぇ、マジか』

何時だ?いつ無くなった?ってか最後にメロンパンを補充したのは何時だ?

………………ダメだ、思い出せねぇ。

ということは、思い出せない程前という事だ。

ダメだ。今日はまだメロンパンを食べていない。メロンパンを食べずに1日を終えるなんて、私のポリシーに反する。


ということで、財布を持ち、靴を履き、部屋を出る。

「あれ、ナルどっか行くのか?」

『…………メロンパン買ってくる』

「おぉ、行ってらっしゃい」

「……ナル、気をつけて」

『………サンキュ』