それから、幼い子どもの手を振りほどく事なんて出来ず、ズルズルと連れていかれた。

着いた先は、

「着いたよ!!!」

『…………ここに居るのか?』

「うん!行こう!」

病院だった。

それからぐんぐんと中へ入っていき、ある病室の前でその子は止まった。そして、

ガラッ

「ママ〜!」

「あら、拓海、来てくれたのね」

その子が駆け寄っていったお母さんは、やっぱりあいつにそっくりだった。ふと部屋の外の表札をみる。


田中 横溝

島田


………………横溝、やっぱりか。