殺す少女と堕ちる男達 2

樹が、似合うと思って選んでくれた。この美しいブレスレットを。

『……似合うか?』

ブレスレットを手首に付けて樹に見せると

「…うん、すごくよく似合ってるよ」

そう言って、嬉しそうに微笑んだ。

私には綺麗すぎる。だが樹は似合うと言ってくれた。ならそれでいい。私が信じる仲間が、似合うと言ったんだ。

きっとこれは、私に似合ってる。

口角が緩み、何となく樹の肩に顔を埋める。私にも案外、乙女心というものが存在したらしい。先ほどの瞬の口紅もそうだ。


これは嬉しいな。


『……ありがと』

そう呟いた言葉は、とても温かみを帯びて、優しかった。