『………これは、化粧品?』
「あぁ、口紅だ。お前そういうの持ってないだろ」
綺麗で高級感のあるリップだった。蓋を開けると、赤とピンクの丁度真ん中位の鮮やかな色合い。
『……綺麗』
その一言に限った。
成美は化粧品の類を1つも持っていない。そういった物は、興味以前に知識が無いのだ。何しろ給料は全てメロンパンにつぎ込むような女だ。身だしなみより腹ごしらえである。
だから初めて直で見たそれは、神秘的にすら見えた。
だが同時に
「おい、何笑ってんだナル」
『……いや、お前がこれを持ってレジに並んでるところを想像すると、つい』
「笑うな!結構恥ずかしかったんだからな!」
『フッ…ありがとな、瞬』
「チッ、おーよ」
「あぁ、口紅だ。お前そういうの持ってないだろ」
綺麗で高級感のあるリップだった。蓋を開けると、赤とピンクの丁度真ん中位の鮮やかな色合い。
『……綺麗』
その一言に限った。
成美は化粧品の類を1つも持っていない。そういった物は、興味以前に知識が無いのだ。何しろ給料は全てメロンパンにつぎ込むような女だ。身だしなみより腹ごしらえである。
だから初めて直で見たそれは、神秘的にすら見えた。
だが同時に
「おい、何笑ってんだナル」
『……いや、お前がこれを持ってレジに並んでるところを想像すると、つい』
「笑うな!結構恥ずかしかったんだからな!」
『フッ…ありがとな、瞬』
「チッ、おーよ」
