殺す少女と堕ちる男達 2

「彪吾に彼女が居るとは全く知らなかったよ。何しろ住んでいる家が違うもんでね、なかなか会えないんだ」

『……いや、友達だ』

「あれ、そうなのか」

横溝の母にしろ、神谷の父にしろ。何故女と聞けばすぐに彼女の枠に入れたがるんだ、まったく……。

「アイツには、家柄で色々と迷惑をかけたからな。君のような友達が居てくれて嬉しいよ」

確かに、神谷組と瀬戸川財閥の息子ともなれば、色々な面において大変な事も多いだろう。弟の事もそうだ。

でも

『………アイツは強い』

寡黙で無愛想だと思われがちだが、何時も千桜の奴らを、1歩引いたところから見守り、そして1歩出たところから率先し、弱さなんて見せずにチームのトップとして、千桜を率いている。