殺す少女と堕ちる男達 2

『…私は有栖川成美だ』

そういうと、男性は少し驚いたように表情を変え、「有栖川、か…」と、小さく呟いた。

…なんだ?この違和感は

「…いや、まさか、な」

男性はそう言って目を眇めた。

『……何がだ?』

「……いや、こっちの話しさ。それより、私にも息子がいるんだ。君と同じ高校生だ」

男性、神谷さんが話を変えた為、それ以上その話が掘り下がることはなかった。

『……息子さんか』

「あぁ」

それ以上、なんだか予感がした。

『……その息子さん、えっと……』

あ、だめだ。学校名が出てこない。まぁ、いいか。ここは適当で。

『…近くの不良高校の生徒か?』

だが、男性には伝わったらしい。