殺す少女と堕ちる男達 2

「君のような人が居れば、まだこの世の中も捨てたもんじゃないな」

『……大袈裟だな』

「そんな事ないさ」

そう言って優しく微笑む男性の笑顔は、やはりアイツとは似ても似つかなかった。
私の目はとんだ節穴だったようだ。

「君は高校生かい?」

そう聞かれて、自分は今高校生なのだと、改めて実感する。

『……あぁ、そうだな』

「そうか。じゃあその荷物は、クリスマスプレゼントと言ったところか」

何故その情報だけで推測出来のかは全くわからなかったが、一応頷くと、また男性は「そうか」と言って微笑んだ。

…この人は本当に優しく笑う人だな。

「そういえばまだ名乗っていなかったな。私の名は神谷賢という」

神谷?何処かで聞いた名前だな。