殺す少女と堕ちる男達 2

『…………でも、いいな、ここ』

「……お前、こういうとこ来たこと無かったもんな」

何気に初水族館である。今年は初遊園地にも行ったし、こんなに遊んだ1年は初めてだ。


「……俺さ、ずっとお前とここ来たかったんだよ」

そんな言葉に、春馬から光一に視線を移す

『…ずっと?』

「まー、そりゃ覚えてねーわな」

『なんだよそれ』

「昔、お前があそこに来たばっかりの時にさ、お前言ったんだよ。魚って食うもんじゃなくて泳ぐもんなんだな…って」

『……んな事言ってたのか』

「まー、6年も前の事覚えてねーよな。んでさ、生で魚が泳いでるとこ見せてやりてーって思ったんだよ」

『……覚えてたのか、ずっと』

「…まーな、お前の事はなんでも覚えてるぜ」

そう言ってニッと笑う光一に、またも口角が緩む。

『…………やっぱ好きだな、お前』