ただ、そうだ。ナルが居なきゃ実質男子校みたいなもんだ。そこを掘り下げてもしょうがねぇし、どうにも出来ない。

だが、好きな女が常に野郎共の中にいて、その女は、超絶ハイパーミラクル級鈍感。

常に隣に樹と瞬がいるが、あいつらだってナルに好意を向けるライバルだ。100%安心なんてできっこない。

……本当に、、


「………はぁぁぁ、スリル満点なんてもんじゃねーよ」


前髪をクシャッとかきあげ、信号に入った所でナルを見ると、

『…………お、外れた』

いつの間にかグローブボックスからでも発掘したらしい、知恵の輪をカチャカチャやっていた。

結構苦戦したらしく、やっと外れて嬉しそうだ。

…………って、ん?

「……おい、なんで知恵の輪があらぬ方向にひん曲がってんだ」

『……曲げたからだ』

「……いや、それそーゆー遊びじゃねー」

とんでもない勘違いをしているらしい。普通知恵の輪を力ずくで外すか?これじゃあ、知恵の輪ならぬ力ずくの輪だ……

……てかなんつーバカ力だよ