光一side

「だってお前、俺が帰ってきてからもずっとあいつらに構いっぱなしで、俺の相手してくれねぇんだもんよ」

そう言った俺の声は、思ったより拗ねていた。

『フッ、拗ねてんのか』

案の定突っ込まれた。ふと成美を見ると、あんまり優しく笑っているもんだから、慌てて目を逸らした。この年で情けないが、成美に見蕩れて事故ったりしたらシャレにならん。まぁそうなったら死んでも守るけど。

ナルに同年代の友達が出来たことは微笑ましいし、喜ぶことだろう。勿論瞬や樹だってそうだ。同年代の男友達が、ましてや学校だなんて俺達とはずっと無縁なところで出来るなんて思わなかっただろう。

あいつらには言わないが、瞬と樹は俺にとって弟みたいなものだ。まぁライバルでもあるけどな。

だからそう。喜ぶべきなんだろうが……

「………………なんで女がいねぇんだ」

『…………は?急にどうした。女に飢えてんのか』

「ちげーわアホ」

突然の俺の発言に、怪訝な顔、と言うよりは意味がわからない顔をしている。