時刻は4時30分。午前の、だ。


今日は土曜日。学校も仕事も無く、千桜の奴らも珍しく忙しいらしい。なんでもメンバーの1人に‘掃除屋ソウちゃん’との威名を持つ、余程の掃除好きな奴がいるらしく、そいつを筆頭として倉庫の大掃除をするらしい。掃除は普通大晦日にするものだと言ったら、、



「大晦日はバイクで暴走するって決まりなんだよ。男世帯の倉庫はやっぱ汚ねーからな。この時期に毎年掃除すんだ。俺も普段家事とかでよく掃除してるしな」


とのことらしい。なんとも清潔感溢れる、良心的な暴走族さんだ。その上、拓哉の普段のオカンなところも垣間見えて、そんな様子を想像したら柄にもなく吹き出してしまった。その後拓哉に怒られたのは言うまでもない。


まぁそんなこんなで、今日は完璧のフリーダムなのだ。メロンパンdayなのだ。


………そう、そのはずだった。


「おーい、準備できたかー?」

『………………』

こいつが居なければな……

「ナルー?」

私の部屋のドアの前で呼び掛けてくるのは、光一だ。そう、こんな、普段なら仕事がなければ絶対に起きていないであろう時間に私を叩き起した張本人である。