殺す少女と堕ちる男達 2

それから、「夫婦とは本来どうあるべきなのか」を語った独身五十嵐談義は、数十分にも及んだ。

そして気づけば、もう外は真っ暗。時計の短い針は、もうすぐ8になる。こんなに遅くまで学校に居たのは初めてだ。

…………ってか、こんなに意味の無い時間を過ごしたのも初めてだ。

「あ?もうこんな時間じゃねぇか。学校閉まっちまう。おい、さっさと出るぞ」

『…………………………』

…………誰のせいだ。

そして、五十嵐と生徒指導室を出る。部屋を出ると、シンと静まった廊下。

そんな廊下に、私達だけの歩く音が響く。

「なんか夜の学校って不気味だよな。俺こんな時間まで普通残んねぇし、新鮮だな」

『…………なんかいそうだしな』

「お前そう言う事言うな。そんな話してたら寄ってくんだろうが」