仁side
翌日発送学校に行くと、ナルちゃんはいつも通りだった。まるで、昨日の事が何も無かったかのように。
昨日、ナルちゃんが初めて僕らの目の前で人を殺めて、実感した。ナルちゃんは人を殺すのだと。
喧嘩なんかとは全く違う。確実に人の息の根を止めるための動き。油断も隙も無く、僕から見たって分かるほど、とても手慣れていた。そんなナルちゃんに、少し恐怖を抱いてしまったのも事実だ。でもそれ以上に、ナルちゃんは俺達を守る為に、そして己の何かに従うよう、手を血に染めた事に、胸が痛かった。
何も出来なかった自分が、恨めしかった。
何も知らない自分が、心底馬鹿らしかった。
俺を知った上で理解し、救い上げてくれたのに、ナルちゃんの事は何一つ知りもしない。
「……仁、どうしたの?ぼーっとして」
「……あぁ、何でもないよ葵」
「……そう?」
改めて、思い知らされたんだ。
翌日発送学校に行くと、ナルちゃんはいつも通りだった。まるで、昨日の事が何も無かったかのように。
昨日、ナルちゃんが初めて僕らの目の前で人を殺めて、実感した。ナルちゃんは人を殺すのだと。
喧嘩なんかとは全く違う。確実に人の息の根を止めるための動き。油断も隙も無く、僕から見たって分かるほど、とても手慣れていた。そんなナルちゃんに、少し恐怖を抱いてしまったのも事実だ。でもそれ以上に、ナルちゃんは俺達を守る為に、そして己の何かに従うよう、手を血に染めた事に、胸が痛かった。
何も出来なかった自分が、恨めしかった。
何も知らない自分が、心底馬鹿らしかった。
俺を知った上で理解し、救い上げてくれたのに、ナルちゃんの事は何一つ知りもしない。
「……仁、どうしたの?ぼーっとして」
「……あぁ、何でもないよ葵」
「……そう?」
改めて、思い知らされたんだ。
