殺す少女と堕ちる男達 2

「…………ナルちゃん」

「…………ナル」

『…………………今回の件は、全て私の責任だ。全て私が巻き込んだ。……………本当に悪かった』

「…………ナル」

「………………成美さん」

そう言うと、成美はこちらを向く。


『………………ごめん』

成美はそのまま俺達に向かって歩いて来て、俺の横を通り過ぎ「バシッ」ようとした。

俺が成美の腕を掴んだ。
正直今は、聞きたいことだらけだ。だが、きっとこれは俺達の踏み込んでいいところじゃねぇんだろう。

でも、俺は、俺達は、成美に目の前で守られる事しか出来なかった。


「…………助けてくれて、ありがとな」

『…………元々私が蒔いた種だ』

「…………だとしても助けられた」

『……………………』

そう言うと、押し黙る成美。