殺す少女と堕ちる男達 2

『……あぁ、いいぜ』

カチャ

俺らに向いていた銃口が成美の方に向く。そして、成美の口角が密かに上がる。


だが、違う。今のは完璧に成美の挑発だ。銃口を俺らから自分に向けさせる為の。

………………クソッ、あいつ。



パン!パン!パン! パン!パン!

その瞬間、倉庫内に銃声が響いた。

そいつは成美に向かって、何発も弾丸を発射する。だが、成美は左手に拳銃を持ち、一切発砲せずに、弾丸を避けながらそいつに向かって走っていく。


「ナルちゃん!」

「ナル!」


俺達5人は、下手に動けば流れ弾が当たる。
だがそれ以上に、初めて至近距離で見る銃での殺し合いに圧倒され、その場に縫い付けられたように、そこから動く事が出来なかった。