リオネルが上衣のポケットから鈍い金色の鍵を取り出し、そっと鍵穴に差し込んだ。

 カチャリ、と乾いた音が静まり返った廊下に響いた後、ゆっくりと部屋のドアを開ける。

 手燭の灯りが、ぼんやりと彼の部屋の中を映し出した。

 玄関を入ってすぐの空間はホールで続く部屋は応接間になっているようだ。

 リオネルに続いて応接間に入りかけて、美鈴は思わず入り口で足をとめた。

 ――闇の中、手燭のささやかな灯りを受けて煌めく光の粒、絹の光沢。

 光を受けて無数に輝く光の正体。

 それはトルソーやコートハンガーにかけられたドレスたちの宝石や金ボタンが光を受けてキラキラと輝きを放っていたのだった。