美鈴の指さす方向、草原を少し進んだ先には森のような木立があった。

 木々の間に太陽の光を受けてキラキラと何かが光っているように見えたのだ。

「ああ、あれは小さな湖があるんですよ。透き通ったとてもきれいな水で……せっかくだからあそこで休憩しましょう」

 ラウルはそう言うと、馬を湖に向けて誘導し始める。

 湖畔で馬から降りると、ラウルが馬に水を飲ませている間に美鈴は湖の周りを歩き始めた。

 ……すごく透き通っている、キレイな水ね。

 透き通った水面を覗き込むと鏡のように美鈴の姿がはっきりと映しだされる。

 ラウルたちのいる場所を確認しつつ、美鈴はもう少しだけ湖の周りを進んでみることにする。

 周りには木々が生い茂っているものの、湖の上は開けており、明るく見晴らしがよくなっている。

 湖畔に座って、本でも読んだら気持ちいいだろうな……。

 そんなことを思いながら、ゆったりと歩いていたその時。

 ふと、視線の先に「妙なもの」が横たわっているのに気づいて、美鈴は足をとめた。

 ……え……あれは!

 近づくにつれてそれが「何か」気づいた美鈴の心臓がドキリと音を立てる。

 茂みの中から白いズボンを穿いた乗馬ブーツの足がにょっきりと突き出ていた。