私…樹さんの腕の中にいるんだ…


お風呂でほてった体が、さらに熱くなる。


樹さんの体温を直に感じて…


『沙也加さんや周りのモデルの人達をずっと見てる樹なら…私なんか…全然見劣りするよね』


樹さんは、首を横に振った。


『…お前がリビングに入って来た時…ドキドキした。すごく可愛くて。それ隠したくて、すぐにバスルームに行こうとしたのに…呼び止めるから…だから俺…』


『嘘だよ…そんな、可愛くないよ、私。パジャマだって…せっかく買ったけど、あんまり似合ってないよね』


なぜか、可愛いと思って買ったパジャマを着てる自分が、急に恥ずかしくなった。


『柚葉は可愛い。世界で1番。誰よりも…可愛い。パジャマも買ったんだな…すごく似合ってる』


樹さんは、しばらく私を離さなかった。


もう、心臓が爆発しちゃうよ。


『樹、ダメだよ。やっぱり…』


その言葉で、すぐに私から離れた。


『悪かった』


そう言って、樹さんは、足早に、バスルームに行ってしまった。