その曲を弾き終わり、鍵盤から手を離すと、一気に静寂が訪れる。 シーンとなったその空間で、私は、昔のことを思い出した。 ..................................... 『アンタなんて、大っ嫌い!!』 ごめんね…、ごめんなさい。 泣いている背中に何度謝っただろう。 何度後悔しただろう。 『アンタはもう、ピアノを弾く権利がない!』 ……冷たい声が私に襲いかかった。 ....................................