守る理由。

『ええっと…つまり…?』

蒼司「この世界の衣類を買いに行こう。」

『そこに至るわけですか。』



まあそう簡単に一言で言ってくれれば分かる。

僕もそこまで馬鹿ではないから。



蒼司「どのようなものが好き、などあるか?」

『…パーカーとか、シンプルなの…』

蒼司「本当に女子高生と言う奴なのか疑いたくなるな。」

『お洒落苦手ですみませんね??』



何でこの人は素で喧嘩を売って来るのだろうか。

少しだけ(?)苛立ちながらも彼を横目で見ると、何故かどことなくワクワクしたような感じで。



『…何でそんなに楽しそうなんですか。』

蒼司「…そうか?」

『はい。』



そう言うと彼は、当然のように答えた。



蒼司「今まで自由に動くことは出来なかったからな。」

『…はい?』

蒼司「守るべき存在を探し続けていたのだ、他のことなど簡単に出来るはずがない。」



…この人は、きっと本当は真面目な人で。

だから自由な行動をしながら探す、などしようとしなかったのだろう。

そう考えたら何となく申し訳ないような気がしてきてしまう。



…もう少し、優しくしてあげようかな。



なんて僕らしくないことを考えながら、黙り込むしかなかった。