守る理由。

蒼司「さて…まず人幻界に来てすることは…」

『その前に一言で良いから謝罪をお願いします。』

蒼司「さっきしたはずだが。」

『あれが謝罪に入ると???』



あれで謝罪と言えるならこの人は相当謝り方を知らない人だ。



蒼司「ふっ…すまなかったな。」

『先に笑うのどうにか出来ないんですかね。』

蒼司「勝手に笑いが込み上げて来るからな…。」

『失礼な発言だという自覚を持ちませんか。』



人の顔を見て笑っているこの人は性格が悪すぎる気がする。

何だろう、僕はそこまで面白いことをしているのだろうか。



『…もう良いや…』

蒼司「話を進めてもいいか?」

『少しは反省の気持ちを持って欲しい僕の気持ちをどうにかして欲しいと言いますか汲んでくれませんか。』



そう言い、彼を見ながら溜息を吐く。

これで本当に悪気がないらしいからこの人は恐ろしいくらいに質が悪い。

サドなのが分かった今、この人との旅が一気に怖くなってきたんだがどうすればいいだろう。

彼はそんな僕の気持ちなど知ったことではないと言いたげに見つめてくる。



何なんだろう僕がいけないのかな麻痺してきたな??



僕は決して悪くないはずなのに自分が悪いような気がしてくるくらいだ。

全く、この人と居ると本当に調子が狂う。