守る理由。

蒼司「…一気に話し過ぎたか。」



そう言いながら、クールな表情を少し歪め、申し訳なさそうな顔をする。



『あ、いや、僕が話してくれと頼んだので…。』



あまりに申し訳なさそうにして来るものだから、何故か此方が罪悪感を感じてしまう。

そもそも、彼は自らの使命を果たすために僕に説明をしたのだろう、決して悪いことなどは何一つとしてしていないのだ。



いやまぁ、全て信じるのは無理があるけどね…。



そう思いながらも、彼を静かに見てみると、少しホッとしたように息をついていた。

本当に綺麗な顔をした人だ、普通に外を歩いていれば逆ナンなどされていたりもするであろう。

そんな人に守ると言われているこの現状は得と考えるべきなのか。



…流石にそれは無理だよなぁ。



いくら美形と言えど、こんな状況になっているというのに得と考えることなど出来るはずがない。

出来るものなら今すぐこの人から離れ、何処で全てを終わらせるか考えたいところなのだ。

しかしそれを彼に話すわけにもいかないだろう…なんて言われるかも分からない。



まあどうせもう会うわけでもないんだし、なんて言われても良いけどさ。



なんて未だに考え続けている僕は、とんだ大馬鹿者であろう。