守る理由。

『…あ、れ、?』



それを思った途端、急に寒気がしてくる。

…何で隣にエレベーターが存在した?

さっきまでは、ここだけ一つなんだなって思っていたはずなんだ。

なのに何故…



「怖がらないで。」



彼女のその言葉でハッとする。

…彼女は一体何者なのか…それも、今まで全く考えようとしていなかった。



「…大丈夫だからね、悪いことはしたりしない。」

『…でも、』

「私は幽霊じゃないわ。…悪霊では、もっとないから安心して。」



その言葉に、少しだけ肩の力が抜ける。



「…これからね、あなたにはしてもらいたいことがあるの。」

『…してもらいたいこと?』



そう聞くと、彼女は薄く微笑んだ。



「あなたにしか、出来ないこと。」