『おい、お前何してんの。』
あ、坂元先生。
「げ、やべ。」
『賭けか何か知らんが、関係ない人を巻き込むな。あとお前らみたいなやつにコイツは落とせねぇよ。』
か、賭け?
「っごめん、古村さん。さっきの告白なかったことにして。」
じゃあ、と言って足早に帰っていった。
ストンっ
『お、おい大丈夫か?何かされたか?』
何かちょっとホッとして腰が抜けた。
「あの、私賭けられてたんですか?」
『んー、何か知らんが落としたら1万円とか言ってたらしい。』
「そうだったんだ。……あ、先生助けてくれてありがとうございました。」
『いいんだよ。古村、立てるか?』
と、坂元先生は私に手を差し伸べてくれた。
その時、久しぶりに胸がときめいた。
これ、久々の感覚。すごく新鮮だ。
『ん?まだ立てないか?』
「いえ、立てます。」
そっと先生の手を握ると優しく腕を引っ張ってくれた。
さっきの男の子とは違う。
そしてすぐにわかった。
私は、坂元先生に一目惚れしたんだと。